SP炭善

SPの仕事してる炭善。現パロです。
かまぼこ隊とか柱がSPしてる設定で炭善は両片想いだよ。
約15000字/健全/現パロ

出会って一年くらい


 部屋に近づいてくる足音にふっと意識が浮き上がった。浮き上がったと言っても、覚醒には程遠くてまだまだ微睡の中だ。とてもじゃないが身体は動かないし、動かす気はない。
 善逸は柔らかいシーツの上で温かい布団に包まっていた。ぎゅうと抱きしめるのはノルディックな雰囲気のあるウサギの抱き枕で、結構気に入っている。すりっと頰を擦り付けるとふんわりお日様の匂いがするのは、きっと昨日の昼間に干されていたからなのだろう。善逸は干した記憶はないから、きっとあいつだなと思いながらむにゃむにゃ口を動かした。
 ガチャリとドアが開く。なんという無遠慮さ。初めの頃はノックがあったのにと、数ヶ月、いや半年以上前のことを善逸は思い出すが初めの頃といっても、家に居ついて一月後には起きない善逸に相手も構ってられぬと突入してきたのだから全然、奥ゆかしい時なんて短かった。
 しかし抜き足差し足と言うように起こしに来るのはなんなのか。扉を開けた瞬間に最初のように声を張り上げろよと善逸は思うが、まだ身体は動かない。まだ起き上がれそうにない。
 そろそろと足音を極力消している相手はとうとう善逸のベッド脇まできた。そいつから聞こえる音は足音に反して爆音だった。善逸は夢の中で「うるせぇ」と呟くが、それが実際に声になることはない。しかし夢の中の感情とはいえ、匂いは出てしまうのだろうか?
 善逸がほんの少しだけ夢から浮上しかけた時、さらりと耳裏を撫でられた。そして頰を撫でられ、ゆっくりと顎下のラインを辿られていくのがこそばゆい。ピクッと反応したらクスリと笑われて、善逸は少しばかり腹が立った。勝手に触ってきて何がおかしいと、鼻に皺まで寄ってようやく瞼が動いた。
「おはようございます。我妻先輩」
「……おはよー」
「朝ごはん、もうできてるぞ」
「んー……うん」
 眠気の取れきれない目でベッドの横に立つ人物を見れば、シャツにネイビーのスラックスにエプロンという姿であった。もう仕事にいく準備万端なのかと善逸は鼻白む。善逸の頭の中に怒涛の勢いでこれからの業務が浮かんでは消えて、さっそく憂鬱だ。
「あー……仕事行きたくないっ!!」
「一週間も休んだだろ?」
「その間もトレーニングだったじゃねーか!」
「そりゃあ仕事がなくても俺たちは鍛錬するのは必要な事だろう?そもそもトレーニング期間だぞ?」
 真っ当な回答に善逸は唸った。分かっている。そんなことはよーく分かっている。何しろ善逸はこの三年もこの仕事に従事しているのだから、目の前の一年目、ようやくもう少しで二年目になる男に言われるよりもよーく分かっている。鍛錬がものをいうのだ。この仕事は。
「……ううっ……行きたくない」
「まだ言うのか」
 呆れるような男に善逸は唇を尖らせた。そしていっと口を横に開くと「せ、ん、ぱ、い」と主張する。すると目の前の男……善逸の一つ歳下で、経歴として二つ下の新人である竈門炭治郎はしまったという顔をした。そして恥ずかしそうにしながら「まだ言うんですか」と丁寧に言い直した。善逸はそこじゃないと思うが、まあいいかと頭を掻いて起き上がる。
「洗濯機回した?」
「これからだ……です」
「無理があるぞ、その言い回しわ……」
 ここだと気が緩むのか、敬語が飛び飛びになる後輩に善逸は半目になりながらTシャツを脱ぐ。目の前の後輩、竈門炭治郎がさっと目を逸らしてくるのは無視だ。どういう気持ちで逸らしているとか考えたくないと、善逸は構うことなく下のハーフパンツも脱いでしまう。
「ちょっ!我妻先輩!!」
「ほい、洗濯。宜しくな」
 当然のように差し出せば、炭治郎はそっぽを向いたまま当然のように受け取る。そして胸に抱えるように持つのを見て、善逸はじとりと目を細める。
「嗅ぐなよ?」
「か、嗅いだことなんかない!!」
 そう言って慌てて部屋を出て行こうとするのに、善逸は「炭治郎」と呼び止めた。半分、部屋の外に出かかっていた炭治郎は呼びかけに立ち止まり、振り返る。
「おはよう」
 にっと笑って言えば、面白いくらいに顔が赤くなる後輩に善逸は本当に笑いがこみ上げてくる。しかし揶揄って笑うと不機嫌になるので、早く着替えようと炭治郎に寄って洗われて、綺麗にアイロン掛けされたシャツを取り出した。襟までキレイにプラスされているのが凄いなと善逸は思う。
「……味噌汁、温めるな」
 そう言って部屋から出て行く炭治郎の音はポップコーンのように弾んでいる。なんてお手軽なんだと思うが善逸も可愛い女の子に微笑まれたら有頂天になれるのだから同じなのかもしれないと考える。
「いやいや。ないわ。俺はガチムチな男ですー」
 そう言って善逸は手早く服を着ると、スーツジャケットを片手に部屋を出た。リビングに行くとホットタオルが置いてあるので、それを当然のように顔に当てる。ゴシゴシとおっさんのように拭き取るのに、目の前に座っている男が「おっさんくせー」と言っているがそれも無視だ。
「……おはよ、伊之助」
「おう。おはよう」
 丁寧におはようまで返ってきたのにちょっと感動しながら、しかし目の前の朝食はもう手がつけられているのにがっくりする。朝はお腹が空きすぎてなかなか待っていられないようだ。
 善逸も伊之助のようにダイニングの席に着けば、炭治郎が当然な顔で朝食のプレートを出してくる。焼鮭に卵焼きにサラダに豆腐と大根の味噌汁、あと玄米ご飯。どれも美味しそうで、善逸は炭治郎が自分も座るのを待ってから手を合わせた。
「美味そう。頂きまーす」
「頂きます」
 そう言って箸を取り、善逸は朝食を食べ始める。一年前にはこのクオリティの朝食など夢のまた夢であったから、これは大変に幸せなことなんだろう。しかしその代償に部屋を一室失っているし、若干光熱費が上がっているのだが。
 しかし食費は掛かってないし、家事からもほぼ解放されている為、善逸はゆっくりと眠れる時間が増えている。ならば部屋が潰れたことはもう気にするようなことではなかった。
「今日って俺たち三人か?」
「今日は輝利哉様の警護だろう?」
 伊之助と炭治郎が話しているのを玄米ご飯を噛み締めながら善逸は聞く。特に肯定も否定もせずに、食事中に仕事の話なんてしたくねーという風に二人を睨みつければ炭治郎は嬉しくてといった音と表情をさせて善逸を見てきて、伊之助は文句あるかというような音と顔で善逸を見てくる。
 三人はセキュリティ・ポリスという職務に従事している。警察内の特殊な職務であるが、要するに要人警護の仕事だ。政治家やその家族、そして国内外の貴賓の警護をするのが主な仕事だ。場合によっては殉職するから、善逸からすれば怖くて堪らないが、何故かその仕事に従事している。おかしい。志願した記憶なんてないのに。
「久しぶりに三人一緒の仕事だから、ついはしゃいでしまった」
 恥ずかしそうにいう炭治郎に善逸は乾いた笑いがでる。仕事が楽しみとは凄いと思う。いつどこから怪しい奴が来るかも分からないので気を張りっぱなしの仕事だというのに。とっても余裕なことだ。
「おい。はしゃいで油断するなよ?」
「そんなことはしないぞ!」
 むんっと胸を張る炭治郎に善逸はそうですかと頷いて味噌汁を啜る。仕事を楽しみとするのもいいし、はしゃぐのも……実務に影響なければいい。まだどうせ出勤前なのだから。けれど浮ついた気持ちと音を見せるのなら、善逸は炭治郎と伊之助に注意しなければならない。それはもちろん、それが善逸の仕事の内だからだ。
「はー。こうして口煩くすんのもあとちょっとかー」
「お前、先輩らしいことなんかしてたか?」
「ちょっとお!伊之助の代わりに何回俺が頭下げたと思ってんだよおおお!!」
 可愛げのない後輩……というよりも直属の部下のような伊之助に善逸は顔を顰めて嘆く。善逸は今年配属であった炭治郎と伊之助のいわゆる教育係りだ。なんで二人もと思うけれど、それにはちょっとしたわけがあり他が担当するのが難しかったからだ。
「俺はちゃんと我妻先輩のことを先輩だと思ってるぞ!!」
「先輩って呼んどけば良いってもんじゃねーんだよ!!語尾!!口調!!めちゃめちゃフランク!!」
 しまったという顔をする炭治郎に善逸は箸をガジガジと噛んだ。すると途端に「行儀が悪いぞ!!」と叱りつけてくる後輩に善逸は「ごめんよおっ!」と謝った。それを伊之助が湯呑みを傾けて頬杖をつきながら眺めている。
「まあ、俺たちが見習いの肩書が取れるのももうすぐだ。そしたら紋逸!お前にはもう指図はされねーからな!」
「いやいや。するよ?俺が現場リーダーならするよ?」
 途端に驚いた顔をする伊之助に善逸はなんで驚くのかと思う。どうしても善逸と伊之助では丸一年の経験の違いがあるのだから仕方がないだろう。
「……お前にデカい顔されるの腹立つ」
「この野郎!だったら留年してんじゃねーよ!!ちゃんと大学の単位取れてたらお前、少なくともあと一年は配属早かったんだぞ!!」
「うるせーな!!あの教授の授業がクソつまらなかったんだよ!!」
 騒ぐ二人に対して、炭治郎は黙って食事を続けている。それを見て、善逸はしまったと思い話を切り上げた。伊之助も隣の炭治郎が少ししょんぼりしているのに気がついたのか、気まずそうに口を閉じる。
 善逸と伊之助は同じ大学の出身だ。それどころか幼馴染だ。二人とも善逸の祖父であり、元警察官だった桑島慈悟郎の元で剣道や合気道、柔道などの警察で必要な技術を学び、そして当たり前のように警察官になるために大学に進んだ。ようするにキャリア組の腐れ縁である。
 しかし炭治郎は高校卒業後に警察学校を出て、派出所勤務の絵に描いたようなお巡りさんだった。そこから炭治郎はちょっとした特技というか才能のお陰であれやあれよと手柄をたくさん立てて、上司推薦でこの仕事に配属されたのだ。
 ようするに三人は過ごした時間に差が大きい。仲は間違いなく良いのだが、つい思い出話になってしまうと炭治郎を置き去りにしてしまうのだ。炭治郎は気にすることないというのだが、本人が寂しがっているのを善逸は音で感じ取り、伊之助は肌で感じ取っている。なので何となく、昔話はしにくい。
「あー……まあ、いいや。確かにお前ら、二年目になるのも近いよな。なんか先輩としてお祝いしてやらないとなー」
 変な空気を誤魔化すようにそういえば、炭治郎がピクリと動揺した音がした。それに善逸は「ん?」と眉を動かす。すると伊之助が善逸の知らぬことを言い出した。
「お祝いって何か飲み食いするんだろ?権八郎が腕を奮うって言ってたぞ」
「えっ?そうなの?炭治郎が作るの?祝われる立場なのに?」
 二人をどこか美味しい店にでも連れて行こうと考えていたので、善逸は驚いて炭治郎を見た。すると炭治郎は真っ赤な顔をしていたのと……音がドッコンドコッンとしているので善逸はますます眉を寄せる。なぜそんな音をさせるのか分からない。
「……俺が二人を飲みに連れてこうと思ってたけど、炭治郎が料理するの?面倒じゃない?」
「俺は不参加らしいぞ」
「伊之助!!」
 真っ赤になって立ち上がり、伊之助の口を押さえてくる炭治郎に善逸はますます理解ができない。二人の見習いの終了を祝う会なのに、片割れがいないとはどういうことか。
 善逸は分からないと考えながらも、炭治郎から聞こえてくる音と伊之助から聞こえてくるちょっとだけつまらなそうな音に嫌な予感だけはある。
「ええと?」
「違うんだ!その、積もる話もあるから!個別にやりたいって伊之助と言ってたんだ!俺と善逸でやって、伊之助と善逸でやって、それで三人でやろうって話なんだ!!」
「待て待て!俺が三回も参加になるじゃねえか!一回で済ませろよ!!」
「それはできない!!」
「なんでだよ!!」
「察してくれ!!」
 めちゃくちゃな事をいう炭治郎は真っ赤で、口を押さえられている伊之助はうんざりしていて、善逸はじわじわたら恥ずかしくなってきた。
 この気持ちは炭治郎がこの善逸の2LDKの家に転がり込んだ来た時から少しずつ大きくなってきている。だんだんと恥ずかしくなってきている。最近では炭治郎に見つめられるだけで正直恥ずかしいし、日毎に伊之助はうんざりしているみたいなので、この家にあまり寄り付かなくなるのも遠くないかもしれない。
「面倒くせえから、三回やればいいだろ」
「俺の時間がめちゃくちゃ取られてんじゃねーか!もう!分かったよ!三回な!!」
 どうせここでごねても炭治郎は引かないのだ。それは半年以上前、配属三ヶ月目で善逸の家の扉を炭治郎が叩いた時からわかっている。なんやかんや、伊之助も炭治郎を気に入っているから甘いのも知っている。あの日と同じように伊之助に味方されてしまえば善逸はもう何もできない。
 部屋に一緒に入れてくれとボストンバッグ片手に転がり込んできた炭治郎は、優しげな容貌とは裏腹に強引で頑固だ。伊之助と二人で我が者顔で善逸の部屋を一つ占拠して、実家があるのに寝泊まりしている。とんでもない連中なのだ。そんな二人が祝い事三回やろうと言ってもそんなに不思議ではない。
 善逸は炭治郎がなぜ個別にやりたいか、積もる話とは何なのかについては考えない事にした。一緒に暮らし始めてから答えはそこにある事を知っているけれど、善逸は反省も振り返りも復習も予習も嫌いなので今しか見ない。
 炭治郎の気持ちなんて、自分の気持ちなんて考えてやらない。それにどうせもう少しで決定的になるのだ。ならばそれはその時に見て聞いて、判断すればいい。状況判断を素早く的確にするのもセキュリティ・ポリスとしては必要な事なんだから。

出会って三か月


「ひぃぃぃぃ!!誰か俺を守ってくれよぉぉぉぉぉ!」
 そう言って仕事の前に泣く、三年目の我妻善逸の言葉はここにいる誰にも投げかけられていないのだと炭治郎が気がついたのは炭治郎が要人警護課に配属されて三ヶ月経った時だった。
 配属時から教育係として炭治郎と同期の伊之助についてくれた我妻善逸は警察官なのに金髪で(しかし地毛)かなり臆病な性質で、怠け者の鍛錬嫌いで、しかしよく利く炭治郎の鼻はその強さと優しさを感じ取っていて、なんとも不思議な存在だった。
 どうやら女性に弱いらしく、女性人気の高い同じ要人警護課の宇髄を目の敵にしているし、顔のいい伊之助を妬ましいと言うし、誠実で女性に頼られがちな炭治郎を羨ましいと床に転がったり、ポコスカ背中を殴ったりしてくる。ちょっとその辺は扱いに困るし迷惑だな、なんて思っていた炭治郎が、本気で善逸にぶん殴られたのは配属三ヶ月目、貴賓の警護に着任したのが二回目、そして初めて本当に『危険』が要人を襲った時だった。
 その時は外国の事務次官が来日していて、何か大事な会議があったのだ。炭治郎は事務次官ならあまり危険はないかなと少しの隙があった。実際に事務次官に警護課が出るのかと資料配布時に思ったものだ。
 しかし実際に蓋を開ければ、その来賓の国にて利権が絡む問題が今回の会議にあるらしく、会議の頓挫を狙われて襲われたのだ。
 炭治郎がそれに気がついた時にはもう善逸が行動を起こしていた。ナイフを持った男が襲って来たのを善逸が押さえ込むのを見て、ようやく炭治郎は敵が来たのだと理解した。
 相手は体格がいい男で、もうがむしゃらに暴れている。他に凶器もあるかもしれないと思えば善逸が危ないと思った炭治郎は一歩を踏み出した。
「我妻先輩!!」
「要人を警護しろっ!!屋内に退避!!伊之助っ!!」
 吐き捨てられた言葉に炭治郎はびくっとしたが、身体は動いた。伊之助は要人を庇いながらもう走り出しており、炭治郎も射線が通らぬようにテキスト通りの行動で要人の警護に回る。
 そうだ。敵が一人とは限らない。だが、それだとあんな広いとこにいる善逸は危険なのではないだろうかと不安にもなる。仲間を助ける為に撃たれるのではないか。自分達の仲間が負傷、もしくは殉職なんてことも。炭治郎はその場になってようやくその恐怖を目の当たりにした。
 SPの教育機関で散々と研修をして心構えをした筈なのに、目の前で現実のして降りかかってくると威力が違う。怖いと思う。
 しかし要人を挟んで反対側にいる伊之助からは動揺の匂いはなかった。それに凄いという感情が湧き、そして自分も任務を全うせねばと冷静さが戻る。
 今し方出てきた屋内に戻り、応援要請を飛ばす。ひとまず射線の通らぬ影に要人を屈ませれば、通信機から『嘴平・竈門はそのまま警戒を維持して待機』と善逸に言われる。外の状況は分からない。
 善逸は大丈夫なのかと思っていると警護をしてる要人が「先程の彼は大丈夫なのか?」と聞いてきた。命を狙われたのに他国の警護人を心配するなんて、なるほど、革新派に所属する事務次官というのは出来た人物らしいと炭治郎は感心する。警護人が不安がり、緊張を覚えてしまうといざという時に逃げるのに不都合が出やすい。そう思って安心させねばと炭治郎が口を開こうとしたら、警護人の前に立っている伊之助が先に言葉を告げた。
「紋逸は問題ねぇよ。ちゃんと強いからな」
 その言葉に、炭治郎はハッと息を飲んだ。なぜならそれが警護人を安心させようとして言った言葉でなく、本当にただの回答であったからだ。伊之助からは善逸を心配する匂いはなく、本当に心底そう思ってる匂いがした。だから迷わず伊之助は要人を助ける為に動いたのだろうか……と炭治郎は思ったが、要人を助けるのは警護人の最も優先すべき事柄だから本当は関係ない。
 けど今も不安を感じてる炭治郎と違い、伊之助には善逸を心配する気持ちはこれっぽっちもないのだろう。それは多分、善逸と伊之助が元から知己であるからだ。どれくらい付き合いが長いのかは知らないが、気安いやり取りを見る限り、それなりの付き合いの長さがあるように炭治郎は感じた。
「!?」
「おっ」
「ひいっ!」
 銃声が響く音がした。それにギクリと身体が固まるがこの場を離れるのは良くない。いや待て、場合によってはこの場は危険と判断してもっと奥に行くべきかと炭治郎が考えていると通信機から『その場で待機』と善逸の指示が入り、ひとまず無事であるのが分かる。ホッと息を吐いていた何が来てもいいような心構えをする。
 それから暫く待機をしていたら、建物の裏口から伊黒と甘露寺がやってきた。炭治郎と伊之助、そして要人を見て、要人が無事であるのを確認するとこくりと頷く。
「無事だな。裏口に回ってここから出る」
「二人とも頑張ったわね!もう少しよ!最後まで警戒していきましょう〜!」
 先輩の登場に炭治郎も伊之助も少し体から力が抜ける。しかしまだ任務は続いているので気を引き締め直すとそのまま四人で警戒を維持して、建物の裏口から出ると横付けしてあった車に乗った。運転席には一つ先輩の玄弥がいる。
「甘露寺、頼むぞ」
「任せて!」
 伊黒はその場に残るようで車が出立するのを警護している。タイヤが滑り出した車はそのまま裏門を出て、当初のルートとは違う道を通り、会議場へと向かっていく。通信機は信号が変わっており、もう善逸の指示は入らない。ここからは甘露寺がリーダーだ。
(……我妻先輩、大丈夫かな)
 そう思いながらも外に怪しい点がないか、つぶさに目は動く。けど、心の内側では善逸の安否を炭治郎は心配していた。——が、全てが終わって炭治郎達が事務所に戻ると、後から善逸と伊黒、そして宇髄がやってきた。事務所に戻ってから聞いた話では、結局他にも敵がいたり、銃を所持してたりと、ちょっとした銃撃騒ぎになったらしい。
 それを聞いて善逸に怪我がないのかと再び心配した炭治郎だったが、廊下を元気に歩いて帰ってきた善逸がめちゃくちゃ怒ってる顔を見てヒッと身体が竦み上がる。
 善逸は感情の起伏が大きく、小さなことでも割と騒いでいるたちで、怒ってるようにポカスカ背中を叩いてくることも多いがこれ程までに怒ってるのは初めて見ると炭治郎は震えた。なぜなら、真っ直ぐに自分に怒りを向けられていたからだ。
「おい!竈門ぉぉぉ!!」
「はいっ!!」
 いつもなら『竈門君』と呼ぶ善逸に呼び捨てにされて炭治郎はびしりと直立不動に身を正す。次の瞬間に拳が来ると匂いで分かったので歯を食いしばり、甘んじて受けた。ガツンと来るかと思いきや、ビンタだった。張られた頰がジンジンと痛むが、怒られるのは分かっていたので文句はない。体罰だとか言う気もない。だって善逸からはめちゃくちゃな怒りと心配の匂いしかないからだ。
「お前何考えんだ!!なんで俺を守りに来ようとしたっ!?お前は要人警護の任務についてんだぞ!?守るべきは要人であって俺じゃない!!一瞬だって守るべき対象を間違えんな!!」
「はいっ!すみませんっ!!」
「分かってるならいいんだよ!!早く頬っぺた冷やすぞ!!」
 ひっ叩いた相手なのにすぐさまアイスノン出してくるのは何なのか。炭治郎は情緒がおかしくなりそうだったが、善逸からスッと怒りが消えているのでひとまず肩から力を抜いてアイスノンを受け取った。善逸の後ろでは宇髄が巨体を震わせて笑っている。それに善逸は「何笑ってんですか!」とギラリと睨みつけてる。
(……怪我はないんだな。銃撃になったって聞いたけど、大丈夫だったんだ。良かった……)
 炭治郎は冷たいアイスノンを頰に当てながらぼんやり善逸と宇髄のやり取りを見ていた。気安くやりとりに、そういえば確か善逸の教育係が宇髄だったのだと思い出す。
(……俺だけなんだよなぁ。あんまり我妻先輩のこと知らないのって)
 何しろ炭治郎が善逸と出会ったのは三ヶ月前だ。他のメンバーは善逸と年単位で仕事をしているから当たり前だが、同期の伊之助がまさかの知り合いということで炭治郎よりアドバンテージが大きい。その事に少しチクチクと心が痛む。
(……?)
 炭治郎は痛む胸を押さえて首を傾げた。しかしそれは叱られたからだろうと納得する。自分の不手際であるのは間違いないが、やっぱり叱られるとちょっと落ち込む。今日の報告書はしっかり反省点と対策とを書かなければなと炭治郎は心の中で頷いた。しかし、やっぱりまだチクチクと心が痛い。
「……竈門君、もしかして首とか捻った?」
「えっ!?だ、大丈夫ですよ!?」
「いや、でも、俺けっこうな力で引っ叩いちゃったし……。うわああ!ごめんよぉ!ちょっとしっかり叱らなくちゃって思って!要人警護として大事な事だし、でも確かにびっくりしたよな!?初めてだったもんな、実際に襲撃あったの!でもね!初めてでも迷ったり判断間違えたらダメなのよ!!俺たちの行動次第でね!沢山の人が困るし死んじゃうかもしれないんだよお!だから迷うなよ!要人を守ることだけ考えて!?ね!?分かった!?」
「分かりました!大丈夫です!今度からは我妻先輩がすごく死にそうでも振り返りません!!」
「えっ!?いや、間違ってないけどそれはそれで傷つくわ!!」
 目を丸くしてぎゃあぎゃあ言う善逸に炭治郎はホッとした。呆れた様子はないから、嫌われたわけでも、使えないと失望されたわけでもないらしいと炭治郎は安心する。良かったと思えば先ほどのチクチクした痛みは薄れていた。それよりもしっかり向き合って叱ってくれたのが嬉しい。
「我妻先輩!ご指導ありがとうございます!」
「へぇ……?いや、指導ってほどでもないけどねぇ〜?」
 うふふふふふふと身体をくねらせる善逸に伊之助が「キモイ動きしてんじゃねー!」と言い、善逸が「はあ!?どこがよ!?」と噛み付いていく。そこから二人が騒ぎ出すのを、炭治郎はどうしようと思いながら見つめる。止めた方がいいんだろうけど、仲のいいじゃれ合いにも見える。
(仲が良くていいなあ)
 どちらになのか、それとも二人になのか分からず、炭治郎は困った。教育係と新人二名という三人チームなので両方に羨ましいと思ってるのかもしれない。けど、どちらかと言えば金色に目がいくのを炭治郎は薄らと感じていた。しかし金色は目立つものなあと直ぐにその思考がやってくる。
「おい!お前ら騒いでんじゃねーぞ!!」
 結局は宇髄に拳骨を二人して貰っていた。それを見ながらやっぱり疎外感を感じる炭治郎は、一人でそのモヤモヤと格闘する。どうしたらこれは無くなるのか。そもそもどんなモヤモヤなのか。炭治郎がそれに気がつくのはさらに一月後のことだった。


出会って四か月くらい

「そんな広くねぇけど寛げよ」
「いや……伊之助……」
「なんだよ?」
「……表札に『我妻』って書いてあるんだが?」
「そりゃ、紋逸の家だからな」
 そう言って玄関の鍵を開け、我が物顔で中に入っていく伊之助に炭治郎は目が点であった。
 この日、炭治郎と伊之助は深夜まで掛かった書類仕事を終えてさあ帰ろうという事になったのだが、生憎終電は終わっていた。ならば仮眠室使うかと思うが、炭治郎は久しぶりに湯船に漬かりたくてシャワーでは満足できなくて唸っていた。
 タクシーで帰るか。しかし実家の家族を起こしてしまう。風呂になんぞ入ったらますます起こしてしまうかもしれない、ならばやはり仮眠室か。しかし色んな人が使う仮眠室の匂いが炭治郎は苦手であった。何しろ要人警護課だけじゃなく、色んな課の人間が使うのだから慣れてない匂いもするのだ。おっさん臭いと言い換えてもいい。
 そうやって帰るかどうか悩んでいる炭治郎に対して、伊之助はテキパキと帰り支度をしていく。方向が同じなら、相乗りした方が安いかなと思った炭治郎は伊之助に声を掛けた。
「伊之助はタクシーで帰るのか?」
「いや、走ればすぐだから足で行く」
 その言葉に近場に家があるとはいいなぁと炭治郎は素直に羨ましくなる。自分も一人暮らしをして職場に近い場所に住めばいいのは分かるのだが、大家族で育った炭治郎は仕事がない時くらいストレスなく過ごしたいと思うのだ。要するに一人は寂しい。
「そうか……。いいなあ」
「何がだよ?お前は帰らねえのか?」
「ううん。迷い中だ。風呂に入りたいけど、家族は起こしたくないし。けど仮眠室は使いたくない。……風呂に入りたい」
 そう言って机に頬杖をつけば、伊之助は少し考えてから炭治郎に言った。
「じゃあ一緒に来るか?」
「え?」
「風呂入って寝てーんだろ?寝床余ってるし、一緒にくるか?」
「いいのか?」
「その代わり、風呂洗いと明日の飯炊きな」
 伊之助がニヤッと笑うのに炭治郎は頷いた。風呂と寝床を貰えるならそれくらい朝飯前だ。炭治郎は手早く荷物を纏めると職場の電気を消して部屋を出た。今日は教育係である善逸は別任務についていて帰ってきていなき。遅くまでご苦労様だ。炭治郎と伊之助はまだ連れて行けない現場だったので書類仕事をしていたのだ。
 それから炭治郎は伊之助について走って行った。伊之助の言うように走って二十分程だったの丁度良い距離だ。住宅地の奥の方までくれば、外灯も少なく暗い。その中に建つすこし年季の入ったマンションに伊之助は入ると、当たり前のようにポストを確認して郵便物を取り出すとエレベーターを使わずに四階まで上がっていく。そして自然な動きで鍵を取り出して——というところで炭治郎は表札に気がついた。表札には『我妻』と書かれている。
 そして冒頭の台詞に戻るということだ。どうやらここは教育係である善逸の家らしい。なぜ伊之助が鍵をという点は、きっと自分が思っている以上に親しい仲なのだと理解するが、善逸の了承なしに泊まっていいのかという心配の方が炭治郎は大きい。
「風呂溜めるぞ」
「いやいや待て!伊之助!俺が勝手に入っていいのか!?我妻先輩の家なんだろう!?」
「あいつの親分である俺が良いって言ってるからいいんだよ」
 どういうことだと思うけれど、伊之助からは嘘を言っている匂いはしない。仕方なく炭治郎は部屋に上がった。本当なら善逸に連絡をしたいが、任務中なら繋がらないだろうから、後で謝ろうと炭治郎は決める。だって風呂の匂いに勝てなかったのだ。
「お前、こっちの部屋な」
「う、うん」
「じゃあな」
 順番に風呂に入り、遅いが晩酌をちょっとして小腹を満たし、それから寝る事になったのだが伊之助が案内した寝床に炭治郎は困っていた。伊之助にどうぞとされた場所は割と生活感がある部屋で、伊之助が入っていった部屋がどんなかは知らないが、見るからに……というか、嗅ぐからにしてここが善逸の寝室であると炭治郎は理解していた。
(ものすごく、我妻先輩の匂いがする……)
 炭治郎はすーっと息を吸って、ゆっくり吐いた。不快ではない。むしろ優しくて強くて、そしてほんの少し甘い、心地よい匂いがする。だがそれと眠って良いかは別であろう。炭治郎は目の前にある少し大きめのシングルベッドを見つめて困った。
(どうしようかな……)
 残念ながらラグもないから床で寝るのはしんどい。伊之助は当たり前のようにこの部屋に炭治郎を案内したから、伊之助のいう余った寝床はきっとここの事なのだろう。確かに善逸達の今日の任務……というかもう日付を跨いでいるので昨日だが、今の任務を考えれば帰ってこないのかもしれない。
 炭治郎はうんうんとまた悩むが、風呂とちょっとの酒で温められた身体は眠りを求めていた。ウトウトとしだした頭はいい匂いがする方へと気持ちを連れて行く。炭治郎はふらふらとそちらに近づくと、疲れた頭で「少しだけ……」と思い呆気なく陥落した。床に膝を着き、ベッドにうつ伏せになる。
(……いい匂いがする……)
 炭治郎はスーハースーハーとその匂いを嗅ぎ、身体を起こさねばと思った。しかし次に目を覚ました時には炭治郎はベッドに横になっており、目の前のカーテンの隙間から光が漏れている。完全にベッドでぐっすり眠り、朝を迎えていた。
「!?!?!?」
 しまった、勝手に布団にと思い炭治郎が振り返ろうとすると、ガツンと何かが背中に当たり固まる。そしてゆっくり身体を起こしてから振り返るとスヤスヤと眠る善逸の姿に炭治郎は悲鳴をあげそうになった。しかし反射的に起こしてはならないと思ったのでパチリと手のひらで口を覆い声を堪える。
(あ、がつま先輩……帰っていたのか……)
 ほうっと息を吐けば、善逸がパッと目を開いた。それにギクリとするが、まだ半分寝ぼけているのかパチパチと瞬きをしてゴソゴソと手を伸ばしてくる。そして自分の起きかけた腰に抱きついて来たので、炭治郎はドッと大きく心臓が鳴った。
「うるさっ!!……ん?うわっ!竈門君!?」
「あ!はい!おはようございます!!」
「……おはよ??」
 茫然としている善逸はボリボリと頭を掻いた。そしてパチリパチリと瞬きをして、ようやく頭が回って来たのか「あ〜〜〜!!」と言って頭を掻くと「伊之助ええええええ!!」と叫んだ。

****

「お前らなあ!人の家で勝手に寝泊まりしてんじゃないのよ!いい加減に自分の家を持て!!」
「んあ?」
「ははっ……」
 善逸は炭治郎が用意した朝食を食べながらそう言った。伊之助は早々にべ終わっていて、どうやら途中になっていたジグソーパズルをやりたいのか布をかけて部屋の隅に置いていたのを引っ張り出している。炭治郎は全力にお茶を淹れてそっと目の前に置いた。
 炭治郎が善逸の家に初めて泊まってから二カ月。それはもう、頻繁に寝泊まりしていた。もはや住んでいるのではというくらいで、三人で帰ることもあれば、バラバラに帰ることもある。毎度鍵を借りていた炭治郎だが、二週間前に善逸から「鍵ないと不便だろ」と言って合鍵をとうとう貰ってしまった。それどころから、炭治郎用の食器やら、タオルやら、替えのシーツやらまであるのだからとんでもないことだ。いい加減自分の家を持てという人間の行動じゃない。
 とはいえ、炭治郎は初回のに泊まって以降は客間に用意された新しい布団で眠っている。いい匂いがする善逸のベッドが恋しいが、そこに一緒に眠る権利は今の炭治郎にはない。善逸と出会って半年近く、炭治郎は自分の胸に湧き上がる気持ちに気がついていた。久しぶりに感じるこのトキメキ、そして今までと違い骨の髄まで欲しいという衝動を炭治郎は持て余している。
「……全く」
 そう言いながら美味しそうに自分が作った料理を食べるのを、炭治郎は目の前に座って見つめた。炭治郎も先ほど食べ終わってしまっていて、仕事の都合で二人より帰りが遅かった善逸は先ほど起きて来たばかりなのだ。一人きりの食事は寂しいというので、炭治郎は目の前に座ってお茶を飲みながら善逸を飽きることなく見つめる。
「……見過ぎなんですけども?」
「……理由は我妻先輩なら分かるでしょう?」
 善逸は鼻のいい炭治郎と同じく、特殊な技能を持っている。それ故に要人警護課に配属されている人間だ。善逸は圧倒的な聴覚で人の感情の機敏や、大雑把な思考、そしてサイレンサーの取り付けられた銃声も聞き取れる程の性能がある。
「……ばーか。新人が先輩からかってんじゃないよ」
 ほんの少しだけ顔を赤らめながら、そう言う善逸から不快な匂いはしない。むしろほんの少し清涼感のある青い果実の匂いに炭治郎の期待が募る。
 まだ早い。まだ一人前には自分は程遠いから。ひとまず、この人に実力を認めてもらうのが先決だと炭治郎は明日からのトレーニング期間、しっかり頑張ろうと心に決めた。

人物紹介


◯我妻善逸
SP三年目。耳の良さで宇髄さんに見出されてSPにならされた。伊之助とは幼馴染で、二人は元警察官の慈悟郎の道場で一通りの武術を習って大学に行ってから警察庁に入ったキャリア組。
ちょっと二次創作なので所属してる警備課は特殊ってことでおなしゃす。普通の出世コースでなくて、特殊技能持ちとしてSPの方に回された。本人はびびって泣いてるけど、ちゃんと要人は守るし耳いいのでサイレンサーつきの銃声も遠くても聞こえるし、要人警護にめちゃくちゃ向いてる。炭治郎と伊之助の先輩で、三年目だからって理由と、炭治郎と伊之助も特殊技能持ちのSPなので善逸が直接指導してる。
耳がいいので、今ある銃に関しては全部把握している。撃鉄の引かれる音や発砲の音から瞬時に反応できるレベル。宇髄さんと定期的に音の聴き比べしていて、炭治郎には二人で何してるのかなってそわそわされてる。
少しでも長く寝たいから勤め先に近いマンションを借りて、趣味部屋にしようと2LDKを借りたのにあっという間に伊之助に侵食され、途中で炭治郎も寝泊まりし始めて諦めてる。

◯竈門炭治郎
SP1年目。普通に高校卒業後に交番のお巡りさんしてたが、鼻の良さで検挙率がよく、成績が良かった。ひょんなことでSPの冨岡と出会い、推薦させれてSPの道に。配属先で出会った善逸と伊之助とドタバタ要人警護をしていたが、三か月目の任務で善逸の人となりを知って、だんだん善逸に惹かれていく。伊之助に招かれて気がつけば善逸の家に入り浸っている。流石に入り浸り過ぎと自覚があるが、気兼ねなく過ごせる善逸の家から抜け出せず、家事をやってるから!と自分に言い訳して、食事や掃除やアイロン掛けをしている。美味しそうにご飯食べてくれるの嬉しい。とりあえず見習いの肩書がとれて、先輩は変わらずとも同僚となれたら善逸に告白しようと思っている。鼻の良さがあるため、向こうの気持ちも把握してる。
ちなみに鼻がいいので、爆弾の匂いや劇薬物の発見が得意。また逃げた標的を追いかけるのも得意なので、要人警護より逮捕能力のほうが高い。

◯嘴平伊之助
SP1年目。大学を一回留年してるので炭治郎と同じく一年目。キャリア組で、善逸の推薦でSPになっている。善逸とは幼馴染のように育っていて、家に入り浸るのも当然だと思ってる。けど最近は炭治郎が入ってきて、善逸となんか怪しい雰囲気になってるのはちょっと居心地悪いなとは思う。早く一人部屋になりたい。炭治郎自体はなんか気が合うから、昔から旧知のような感じ。三人でやる任務が一番ワクワクして楽しいと思ってる。
肌の触感が優れているので、殺気や瞬間的な反応速度が一番高く、対人格闘能力が三人の中で一番優れている。またカンも優れているので、瞬間的に安全ルートを判断して要人を連れて逃げられる。

◯三人の良くあるフォーメーション
要人を室内に入れる際はまず善逸が内部、周囲の音に異常がないか把握。その後に炭治郎が周囲、扉越しに劇薬物の匂いを確認し、最初に部屋に入るのは伊之助が担当する。何か仕掛けがあった場合も伊之助だと大体反応してなんとかできるから。

なーんて色々と夢見たパロディでした。

コメント

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました